【これなら快適】空中浮遊リモコン
清潔なトイレは気持ちがいいですね。
ホテルやデパートといった不特定多数が利用する施設でも、トイレはたいへん綺麗にされています。
トイレは隠れた集客の鍵とも言われるようです。
でも洗浄ボタンなど、リモコンに直接触れるのはちょっと気になりませんか?
そこで弊社では、お客様と連携してトイレ用の『空中浮遊リモコン』を製作しました。
この装置は操作部に直接触れることなくスイッチが操作できる、まさに『空中に浮かんだリモコン』です。
コロナ禍を契機に、『非接触』が安心の一つの材料となりました。
この装置はそんな要望から生まれた機器です。
実物は愛知県の刈谷ハイウェイオアシスのVIPトイレに設置されており、その写真がこれです。
刈谷ハイウェイオアシスには4億円を掛けた豪華なトイレがあり、そこに『トイレ用空中浮遊リモコン』が設置されています。
→→→刈谷ハイウェイオアシス 豪華トレイはこちら
空中に浮かぶ仕組み
この技術はコロナ禍をきっかけに、『空中スイッチ』や『空中ディスプレイ』といった名称で脚光を浴びた技術です。
複数の会社からそれぞれの技術が実用化されていますが、簡単に表現すると、、、
『光源からの光を 光学プレートに2回反射させることで、空中に映像が結像する』
<再帰反射>と言うそうですが、各社の違いは反射のさせ方の違いのようです。
そして空中の画像は、「光源の対称位置」に出来るのが<再帰反射>の特徴です。
弊社では、株式会社パリティイノベーションズの「パリティミラー」を使用した製品開発を行いました。
・「パリティミラー」の仕組み・・・・・パリティミラーのサイトへ
空中に結像する映像は、パリティミラーなど光学プレーを中心にして、液晶画面の対称位置に現れます。
そのため光学プレートの裏側には、光源となる高輝度の液晶が入っており、この画面を間接的に見るのが『空中ディスプレイ』です。
どうしてスイッチが反応するの?
空中に浮かんだ画像を選んで、どうしてスイッチが反応するのか・・・
モーションセンサーを利用しています。
実は空中に画像を結像する技術は、以前からあったものです。
この表示技術に、昨今急速に進歩したモーションセンサーの技術が加わったことで、入力装置<空中スイッチ>として利用できるようになりました。
センサーは以下のような検知方法を使っています。
帯状のセンサーから複数の赤外線レーザーを放射して空間に「幕」のようなエリアを作ります。
「幕」の中に指を入れると、その指の位置がわかる仕組みです。
一例として Neonode社 のイメージ画像を掲載しましたが、X,Yの位置情報が出力できるセンサーならば利用可能と思います。
この指の位置と、空中に浮かんだ画像を一致させることで、あたかも空中のスイッチが押されたように感じるのです。
製作品
・筐体設計
筐体の設計は弊社で行いましたが、光学的な設計はお客様で行って頂きました。
ただユーザー視線や空中映像の位置など、比較的簡単な光学的なレイアウトは弊社で行っています。
設計には、3次元CADの Solidworks を使用しています。
電気回路や基板、ソフト開発については、お客様にて対応頂きました。
お客様で行う理由は、空中浮遊リモコンで一番肝心な所がセンサー反応のチューニングのためです。
空中画像に触れた時の反応や位置精度など、感覚的な判断が製品としての良し悪しを決めるからです。
・部品製作、組立
弊社では、樹脂部品、板金部品の製作、表示パネルの印刷や筐体の塗装、光学プレート加工などを行って、筐体を組み上げました。
上の写真が『空中スイッチ』が点灯した状態です。
少し解りにくいですが、四角のボタンが空間に浮かんだスイッチになります。
液晶画面は下向きに配置されるため、この角度から画面を見ることはできません。
横からの写真があれば 浮いていることも伝えられるのですが、残念ながら浮かんだ画像は ほぼ正面からしか見ることが出来ません。
そのため写真では浮いている感覚が伝わりにくいのですが、実物では浮遊感を感じることが出来ます。