【ハーフミラーで画像を合成】 LCD画像合成装置

LCD(液晶)画像と実際のギミックの
画像をハーフミラーで合成表示する
装置です。

ユーザーに対し、通常はLCD(液晶)
の画像を表示しています。

機構が動作すると、LCDが筐体上部に
収納され、代わりに奥側に待機していた
ハーフミラーが手前に前進します。

最奥にはギミックが配置されており、
ハーフミラーに映る上部のLCD画像と、
最奥のギミックの合成画像を表示する
装置です。

この装置は以下の5つの動作を行っています。
1.フロントリッドの開閉
2.LCDの内部への収納/排出
3.ハーフミラーの前進/後退
4.ギミックの移動
5.5つのモードの検出

この5つの動作を、側面に配置した
1対のカムギヤの動作のみで
行っています。

家電メーカー様よりイメージスケッチを頂き、初期の仕様を固め
ながら、その後の構想設計、詳細設計、試作及び評価、金型データ
作成を行いました。

導入に至った背景
CD(液晶)に表示される画像は、どんなに立体的な画像でも
平面的になってしまい、奥行き感が伝わりません。
そのためより立体感や臨場感を伝える表示装置が求められていました。


解決策
通常はLCDの表示装置として様々な画像を表示します。
それだけではなく、LCDとは別に立体の造形物(ギミック)を見せることで、
LCDでは伝えられない実物の立体感をユーザーに伝えます。
更に、ハーフミラーを使うことで、奥側に立体造形とLCD画像の
2つの画像を合成した表示ができます。

LCDの筐体内部への収納方法は、LCD上部を支点にした回転収納としました。
これにより大きなLCDを使用でき、後部ギミックのエリアも十分に確保できました。

LCDの収納やハーフミラーの前進、ギミックの可動など、複数の動作を
行う場合、通常は多くのモーターとセンサーが必要になります。

筐体の両側には1対の大きなカムギヤが付いており、このカムギヤに
複数のカム溝とカム山を設けることで、1個だののモーターで動作しています。


効果
LCD画像と立体ギミック、ハーフミラーの合成画像と、3つの画像を
表示できるため、臨場感ある演出が可能になりました。
機構においては、複数動作を1つのカムギヤで集約的に行うことで
部品点数の削減ができました。
同時に筐体サイズに比較して、大きなLCDを使用することが可能でした。

弊社が対応した業務
アイデア出し、3Dモデリング(Solidworks)、機構設計、筐体設計、歯車設計、カム設計、ギミックデザイン、動作制御回路、試作(精密板金、樹脂、歯車、カムギヤ、バネ、電子基板)