『立上り介助できたら嬉しいなぁ~』電動伸縮杖

階段の上り下りや、ちょっとした
立ち上がり動作で、あると便利なのが
杖ですね。



特に高齢者の方にとっては外出時の
強い味方です。

杖にもいろいろ種類があり、
電動で伸縮して長さを変えられる
便利な物もあります。


実はこの杖、実家の母も使っている
のですが先日こんなことを
言っていました。


「この杖で、体か起きたら
嬉しかったんだけど・・・」


高齢の母は足腰が弱いのですが、
どうやらトイレに座った後に立上がる
ことが出来なくなってしまったそうです。


ちょうど手元にこの杖があったので、
体を預けて杖を伸ばし立上がり
介助をしようとしたところ、
杖は伸びなかったそうです。


それはそうですね、電動杖の電源は
単三電池2本


とても人の体を起こすだけの力は
ありません。


そこで、トイレなどで立上がりの
介助ができるよう、
『体を起こす電動伸縮杖』
を実験的に作ってみることにしました。


立上がりを介助する杖は、
市販品を改造して作ります。
伸縮部分を流用し、モーターと電源部分を
強化したものに組み替える改造です。


モーターは、タミヤのギヤードモーター
380シリーズの1/20を使います。


今回は実験用と割り切りモーターの
標準仕様のまま DC7.6V で使います。

この段階で、どのくらい市販品の
電動杖より強くなるのか、ざっくりと
目安を付けてみます。


タミヤのギヤードモーターの性能曲線が
1/36のものしか無いので、
これを1/20に換算します。

1/36の性能曲線をみると・・・
停動トルク 12.5kg・cm!
さすがに強力です。これを1/20に
換算すると 7kg・cmとなります。


そしてその時の電流は・・・4.5A。
社内で準備できる電源は4Aまでなので、
停動トルクまで使うことはできません。

しかし今回はそこまでは使わないので、
これで実験をしてみます。

一方、市販の電動杖のモーターには、
型番の記載がなくスペックが不明です。
形状、サイズから、おそらく
マブチモーターの RE-280 シリーズ
と思われます。

こちらの停動トルクは性能曲線から
16.7g・cm。(0.0167kg・cm)


モーターと電源の変更で、単純に
420倍の伸縮力にもなりす。


杖の伸縮力を比較するためには、
伸縮するスクリュウ部の構造を
調べ、伸縮力に換算するのですが、
この部分は流用するため
分解ができません。

そのため簡易的にばね計りで伸縮力を
で計ります。

測定の結果、700gほどの伸縮力です。


これを420倍したものが、
今回の強力杖の伸縮力なので、
最大29kgほどの伸縮力を
発生することができます。

立上り介助であれば、何とかなりそう
な荷重です。
強度的に他の部分がもてばですが。。。

握り部分の筐体を3Dプリンタで製作し、
モーターを取付けた写真がこちらになります。

モーターの強力なトルクに対応するため、
モーターギヤと伸縮側のギヤを付け替えます。
モジュールを大きくして、小原歯車の
金属製のマイタギヤに交換しました。


電源をDC7.6Vとしたため、今回は
外部電源に接続しての利用となります。


またこのモーターの場合、最大4.5Aの
電流が流れるため、安定化電源につなぎました。


このままでは商品性は全くありませんが、
トイレからの立上がり介助の実験機
として割り切って作っています。

この写真は既存の製品との
大きさの比較です。


大きなモーターを入れたことで、
握りの部分がずいぶん大きく
なりました。(写真下が今回の改造品)


立上がりの介助用なので、今後形状は見直す
として、ある程度の大きさは安心感にも
つながるためOKとします。


肝心の動作の結果は、『非常にいい』感じ
でした。


モーター音が怖いくらい大きいとか、
収縮エンドまで使うと壊れるとか、
おっかなびっくりの実験機ですが、
少なくともトイレの立上がり介助には
有効でした。


今回は安定化電源をつなぎましたが、
近いうちに掃除機のバッテリーに
繋ぎ変えたモデルを
また作ってみたいと思います。